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ぶどう膜専門外来とは

ぶどう膜外来とは、主にぶどう膜炎と言う、目の中に炎症を起こす病気を診察・治療する専門外来です。ぶどう膜は、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの膜から成ります。虹彩は、ひとみの大きさを変えて目に入る光の量を調節します。毛様体は、目の中を満たす水を作ったり、見え方のピントを合わせる働きをします。脈絡膜は光を感じる膜である網膜と接しており、網膜に大量の酸素、栄養分を送る重要な役割をしています。いすれも、血管が豊富なため、異常な免疫反応や炎症を起こしやすく(ぶどう膜炎)、見え方に大きな影響を及ぼします。

ぶどう膜炎の原因は50種類くらいあると言われていますが、大きく分けて、ベーチェット病、サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病、強直性脊椎炎、乾癬など全身の病気の1症状として起きてくる場合(内因性ぶどう膜炎)と、結核性ぶどう膜炎、ヘルペスウイルスによるぶどう膜炎、トキソプラズマ網膜症、サイトメガロウイルス網膜症、細菌性眼内炎などの様に、病原体の眼内への感染で起きる場合(感染性ぶどう膜炎)があります。約50種類ある病気の原因によって治療法が微妙に違ってきますので、まずしっかりと検査を行って、原因を明らかにし、それに対する治療を行う事が大切です。 具体的なぶどう膜炎の症状は、

  • 物がかすんで見え、視力が低下した
  • 物がゆがんで見える
  • 視野の中心部が見づらい
  • 物が小さく見える

などです。

この科の主な検査と説明

視力、前眼部および眼底検査:眼科で行われる最も基本的な検査です。

眼圧測定:目の固さを測る検査です。眼圧が高いと緑内障になりやすい事が知られています。

蛍光眼底造影検査:腕から造影剤を注射して写真撮影することにより、眼の奥の微細な異常を検出する事が可能な検査です。

光干渉断層計:近赤外光を用いることにより、非侵襲的に網膜、脈絡膜の断層像を得ることができる検査です。

レーザー・フレアメーター:眼の前房というところの、炎症の程度を客観的に測定します。

シクロスポリン血液中濃度測定:シクロスポリン(ネオーラル®)という免疫抑制剤を飲んでらっしゃる方の、血中における薬物濃度を測定します。血液中の濃度が高すぎると腎臓に副作用を起こします。

各種ウィルス・原虫・寄生虫抗体価:感染性のぶどう膜炎が疑われる場合、生体が反応して生成する抗体の量を、血清中、あるいは前房水中濃度として求めます。

ツベルクリン反応:皮膚にツベルクリン液を注射して2日後に腫れの大きさを測ります。サルコイドーシスでは陰性に、結核性ぶどう膜炎では強陽性になりやすい検査です。

胸部レントゲン撮影:サルコイドーシス、結核など、肺に病変を起こす疾患の検索のために行います。

眼内液を用いた特殊検査:ウイルスなどの感染性ぶどう膜炎や眼内悪性リンパ腫(眼内に発生した悪性腫瘍)が疑われた場合は、手術で眼内液を採取し、ウイルスDNA検査、病理組織学的検査、細胞表面マーカーの検査などの特殊検査を用いて、可能な限りぶどう膜炎の原因を追究します。

この科で行われている特別な医療について

抗TNFα抗体治療(レミケード):ベーチェット病に対するお薬で、2007年から認可されました。8週間毎に点滴し、1回の点滴にかかる時間は約2時間です。ベーチェット病ぶどう膜炎の眼炎症発作を強力に抑制します。稀に点滴中に蕁麻疹や血圧低下などの副作用を起こすことがあるため、外来化学療法室で点滴を行っています。

抗TNFα抗体治療(アダリムマブ):治療が難しい内因性ぶどう膜炎に対して、新しい抗TNFα抗体製剤(アダリムマブ)の治験を2011年夏ごろから開始する予定です。この薬剤は、2週間に1回、皮下注射する薬剤です。東大眼科のほか、国内の約10の大学病院でも治験が行われます。

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医療職の方へ

お知らせ

東大眼科は、幾代もの教授のもと、ぶどう膜外来は活発な診療、研究を続けてまいりました。今後も、その伝統を継承すべく研究いたしております。

ぶどう膜外来とは

ぶどう膜外来では、ぶどう膜炎の患者さんを専門的に診察する特殊外来です。ぶどう膜炎、強膜炎、眼内悪性リンパ腫(仮面症候群)の診療を行っています。特にベーチェット病に関しては、30年前より厚生労働省のベーチェット病に関する調査研究班に属し、国内でも最大級の臨床経験を持っております。

診療体制

午前、午後ともに常時数人以上のスタッフにより、診療を行っています。現在研究を進めている中堅・若手医師から、大病院の眼科部長、開業して実践的に診療を数多く手掛けている医師まで、様々な立場の医師が揃って外来に来ております。かたよりのない強力な布陣体制で診療に望んでおります。

治療方針

ぶどう膜炎の治療にあたっては、まず原因検索を十分に行い、ベーチェット病やサルコイドーシスなどの全身疾患の発見を目指すと同時に、誤診を防ぐ事に最も力を注いでいます。特に、内因性ぶどう膜炎と感染性ぶどう膜炎の鑑別には十分注意する様、心がけています。その上で、患者さんの全身状態を考慮して、それぞれの患者さんに最も適した、副作用の少ない治療法を選択すべく努力しています。診断と治療方針の決定は、(多くの場合)複数の専門医が話し合い、片よりなく、片手落ちなく、最良の選択をするよう心がけています。また、何回かの再来をされるうちに、何人かの医師の診療を通し、ミスのないことに万全を期しています。ベーチェット病ぶどう膜炎に対するインフリキシマブ(レミケード®)治療のほか、サイトメガロウイルス網膜炎やサイトメガロウイルス前部ぶどう膜炎に対するガンシクロビル(デノシン®)硝子体注射治療も行っています。

得意分野

ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病、結核性ぶどう膜炎、ヘルペス性ぶどう膜炎、サイトメガロウイルス網膜炎、眼内悪性リンパ腫

外来担当一覧

  • 木曜午前:蕪城俊克、高本光子、沼賀二郎、今野泰宏、松田順子、中原久恵、小前恵子
  • 木曜午後:蕪城俊克、高本光子、藤野雄次郎、吉田 淳、冲永貴美子、中原久恵、小前恵子

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